教育現場で利用する
教育現場で利用する
前回までは、教育現場のeboardでの使い方を中心に紹介してきましたが、今回は、一人ひとりの子、特にご家庭での使い方についてお話します。Twitterに上がっている、実際に使ってくださっている方の声を紹介しながら、進めさせてください。
不登校の中1の息子が「これならやれる!」って自習を始めました。動画が短くて分かりやすいのと、ミニ問題があるのがやる気をおこすらしい。ありがとう〜eboardさん。
— ちひろ (@NoonooTyda) June 1, 2021
ICT教材eboard(イーボード):映像授業とデジタル問題集で基礎から学べる https://t.co/pYgahMFhYf
まず、eboardを使って頂く中でも年々増えているのが、不登校の子です。なんらかの理由で、学校や授業、学校生活になじめない。けれど、学びたいという声をたくさんもらいます。コロナ以降、GIGAスクール構想やオンライン授業の影響もあり、不登校の利用者はさらに増えました。
不登校の子ども達からは、「映像授業に先生の顔が出ないので、圧迫感がなくて見やすい」と言ってもらうこともあります。学校やその他の学習経験の中で、人と接すること自体に抵抗感を持っている子もいます。話し方も、先生が教えるというよりは「隣で勉強の内容を話してくれる」くらいのトーンでやっているので、そこが心理的に受け入れやすいという声も、よく頂きます。
チャレンジタッチで算数やってたら、説明のペースが早すぎて聴覚認知の弱い娘ちゃんは理解できず泣きだしてしまった。結局いまeboardで同じ単元のとこ見てる。eboardは説明のテンポがちょうどいいし、字幕をつけられるのが本当にありがたいんだよね😌
— すぴねる🌌(疲れぎみ) (@spinel313) January 29, 2022
こちらのお子さんは、聴覚認知が弱いとのこと。「物理的には聞こえてはいるけど、情報として処理するのが難しい」というケースですね。前回お話しした通り、誰しも視覚優位・聴覚優位という特性はあります。聴きとりでの学習が難しい子は、学校の授業はもちろんのこと、視覚情報が多い映像授業でも、難しいことがあります。そういう子にとって、やさしい字幕がついていることで、映像授業がとても使いやすくなります。
やさしい字幕の活用としては、ろう・難聴の子はもちろんですが、聴覚過敏の子が映像授業の音声を全て切って、字幕だけで学習をしていることもあるようです。感覚過敏を訴える子が増えているように思いますが、そうした子にとっては、教室や集団の中だと刺激が多いということもあり、個別にICTだと学習ができるという事例をよくうかがいます。
また、eboardに関わらず、読み書きの困難がある子がデジタルだと学習しやすくなるケースもあります。頭では理解できているけど、書くことがうまくできないために「できない」と思ってしまっている、思われてしまっていることがあります。読みの困難も、自分一人だと読めないけど、誰かに読んでもらったら理解できる。
こういう場合に、デジタルで選択式の問題であれば回答できたり、記述でもタイピングや音声で入力できるので、学習を進められるようになります。読みに対しては、音声読み上げが使えます。教材として大人は気にしないくらいの違いでも、「他の通信教材だとできない」ことが、eboardだとできて「楽しい」と言ってくれるのは、私たちも本当に嬉しいです。
家庭菜園のやり方を調べていたら植物そのものの仕組みがもっと知りたくなって、大学生の時に買ったまま一度も読んでいなかった高校生物の参考書を開いてみたけど、高校で生物を履修していなかった自分には難しかったから小学校の理科から勉強し直してる😄
— ゆうぺこ (@pekopeko_) September 15, 2021
eboardっていう無料学習サイトが参考になる👍
遅ればせながら初めて知りました。
— 慧 (@tsukatoki) January 9, 2021
私、中学で算数→数学になった途端に勉強からドロップアウトした人間なんですが、これなら高等数学までいつか行けるかもしれない。
ICT教材eboard(イーボード):映像授業とデジタル問題集で基礎から学べる https://t.co/Y414gA1OIh
実は、たくさんの大人の方が、eboardを使ってくれています。特に多いのは、算数や数学の学び直しなんですが、理科や社会もeboardの映像がいわゆる「受験勉強」という形になっていないこともあって、いろんな使い方をしてくださっています。
いつもほっこりしてしまうのが、おじいちゃんやおばあちゃんがお孫さんと一緒に勉強するために、eboardで先に勉強しておくというケース。声を頂く範囲だけでも、結構そういう使い方をしてくれているご家庭があるようです。
もちろん、様々な意味で恵まれたご家庭なのかもしれませんが、支援者の方がeboardで学ぶというのは、学生ボランティアが確保しづらい子ども食堂や地域の学習支援でも、よくお話をうかがいます。
こういうとき塾に行けていれば先生とかに聞けてもっと楽しいんだろうなとか、また少し自己嫌悪になりそうだったんですけど、「eボードさんがね、理科もやってくれてね、私がずっと分からなかったことが、一番分かりやすく教えてくれた!」とそして、カントリーマアムも食べて喜んでいました。
— 山子 (@chimimeme) January 21, 2022
経済的な理由でしょうか。塾に行くのが難しいご家庭のようですが、eboardのおかげで学ぶことができているという声。まさに、eboardがNPO法人として活動し、無償で学習環境を届けているのも、こうしたご家庭、子ども達に届けていくためなので、一番嬉しい声ですね。
もちろん、保護者の方がeboardを見つけてくれて、お子さんに紹介してくれるケースは多くはないので、学校や他の団体さんを通じて、学習環境を届けていかなければなりません。一方で、コロナの影響もあり、オンラインだからこそ、学校でもICTが進んだからこそ繋がれる家庭が増えてきているなとも感じています。
3回にわたって、eboardの使い方、代表である私の考えをお話しさせていただきました。今回様々な声をご紹介させていただきましたが、eboardを使ってくださる中には、eboardを「たまに使う」という子や「あると役に立つ」というレベルの子もいれば、eboardがなければ学ぶことができなかった、学習や生活が変わったというような子ども達もいます。
私は、eboardが誰にとってもベストな教材である必要はないと思っていますし、そうしたものをつくっていく気はありません。それはNPOでやるべきことではないですし、民間企業の教材でも素晴らしいものがたくさんあります。
「学習に困難を抱えている子が学びやすい」教材に、「無償でアクセスできる」こと、に大きな意義があると考えています。そこを団体としてやり抜き、インターネット上に「学びのインフラ」を整えることが、私たちNPO法人eboardの使命です。
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