
NPO法人eboardは、生成AIを活用した「やさしい日本語」への変換・翻訳ツールを開発しました。本ツールは、難しい文章や画像を分かりやすい言葉に即座に変換できるツールで、日本語指導が必要な外国につながる子、読み書きに困難のある特別支援の必要な子などの学びやコミュニケーションに役立ててもらうことを目指しています。本ツールの運用はこれまで助成金で賄ってきましたが、助成終了に伴い、2026年4月以降は当法人の自己資金にて無償提供を継続します。教育現場での深刻なニーズに応え、次年度以降も安定したツール提供を継続するため、同時に寄付によるご支援の募集を開始しました。
日本語指導が必要な児童・生徒(小学生・中学生・高校生)の数は年々増加しており、2023年度には約6.9万人にのぼりました(※)。こうした子どもたちに対する支援として、「特別の教育課程」による指導が行われていますが、指導時間が「日常会話レベル」に達する程度で終了することが多く、支援なしで教科学習に参加できるレベルに届かないことが多いのが現状です。
※出典:日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(令和5年度)

△日本語指導が必要な子どもの数の推移(日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査・令和5年度)
さらに、多くの自治体・現場では財源不足や人材不足等により、日本語指導体制を十分に整えることが難しい状態にあります。また、全国規模・地域規模でも外国人の在籍数に偏りがあり、行政による画一的な対応を難しくしています。
「やさしい日本語」は、難しい言葉を言い換えるなど、相手に配慮したわかりやすい日本語のことです(※)。NPO法人eboardが生成AIを活用して開発した「やさしい日本語」化ツールは、日本語への変換ツールと翻訳ツールで、学校生活のあらゆる場面で、円滑なコミュニケーションや学びを支えます。
※出入国在留管理庁・文化庁「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」より
<「やさしい日本語」化ツール>
文章をコピー&ペーストするだけで、瞬時に「やさしい日本語」に変換します。ルビ(ふりがな)の表示・非表示も選べるため、子どもの日本語レベルに合わせた調整が可能です。カメラ機能を使って画像から文章を読み取ることもでき、スムーズに学習につながります。

<リアルタイム翻訳ツール>
音声を即座に翻訳し、タブレットやスクリーンに表示。多様な言語背景を持つ人とのコミュニケーションをサポートします

<「やさしい日本語」辞書>
わからない単語を入力すると、その意味を「やさしい日本語」で解説します。さらに、意味を補う画像やイラストも自動で表示されます。

2024年度~2025年度にかけて、NPO法人eboardでは、全国の外国につながる子や、読み書きに困難があるなど特別支援が必要な子が在籍する学校で、「やさしい日本語」化ツールの実証を行ってきました。
◆外国につながる子への実証結果
外国につながる子への実証では、「やさしい日本語」化ツールの利用により読解負担が大幅に軽減されたことが明らかになりました。約4人に3人が「文章を読むのが楽になった」「これなら自分でも文章が読めそうだ」と回答しています。

<利用者・支援者の声>
◆特別支援が必要な子への実証結果
利用した子どもたちや支援者からは、「やさしい日本語」化ツールを利用することで、単に文章が読みやすくなるだけでなく、副次的な効果としてコミュニケーションを中心とした生活部分の支援につながるとの声が聞かれました。
ディスレクシア(読み書き困難)の子への実証では、「やさしい日本語」化ツールの利用により読解負担が大幅に軽減されました。約5人に4人が「文章を読むのが楽になった」「これなら自分でも文章が読めそうだ」と回答しています。

軽度知的障害の子への実証では、「やさしい日本語」化ツールの利用により読解負担が大幅に軽減されました。約4人に3人が「文章を読むのが楽になった」「これなら自分でも文章が読めそうだ」と回答しています。

<利用者・支援者の声>
NPO法人eboardは、全国の学校・教育委員会・教育関係団体を対象に、本ツールの無償提供期間を2027年3月末まで延長することを決定いたしました。
本ツールの運用には、生成AIの利用料をはじめとする継続的なコストが発生します。今回の無償提供期間延長は、現場での利用実態をさらに深く把握するとともに、「ご寄付によって持続可能な形での運営が実現できるか」を検証するための決断です。
無償提供に関する概要は、以下のとおりです。
「やさしい日本語」化ツールにかかる生成AIの利用料については、これまで企業や財団による助成金によって賄ってきました。2026年3月末をもって助成期間は終了しましたが、2026年4月からの1年間は、eboardの自己資金により、引き続き無償で提供します。
2027年4月以降も本ツールを「社会の当たり前」として全国の教育現場へ安定的に届け続けるためには、当法人の力だけでは限界があります。この活動を持続可能なものとして定着させるため、皆様のお力添えが必要です。
すべての子どもたちが等しく学べる環境をつくるため、本プロジェクトの理念にご賛同いただける方は、ぜひ寄付によるご支援をご検討いただけますと幸いです。
本件に関する問い合わせ先
・NPO法人eboard 新免(しんめん)
・nihongo@eboard.jp